れいわ新選組 統一自治体選挙マニフェスト

はじめに

この30年、「官から民へ」「行政のムダを省く」というスローガンのもと、緊縮財政と小さな政府を目指す政治が続いて来ました。そんな中で、大きなしわ寄せを受けてきたのが、地方自治体です。

財政を「健全化」させるため、中央政府は地方に配分する財源を減らし、社会保障の負担を地方自治体に押しつけてきました。地方交付税交付金は地方自治体が一般財源として使えるお金ですが、充分な額が確保されていません。国全体の最低限の生活水準を保障するための、介護・医療・保育・教育などの支出についても、中央政府は十分な財源を手当せずに、自治体に負担を強いています。その結果、地方自治体の公務員も十分な人員を確保できず、賃金カットや非正規化、長時間労働が常態化しています。過去十数年にわたる緊縮的な経済政策の結果として、高齢化や人口縮減という地方の課題にも、対応が大幅に遅れてしまいました。就職氷河期世代は放置され、ひとり親世帯の子どもの貧困も深刻です。

いま、何よりも、ひとびとが豊かになるための経済政策への転換が必要です。特に、地方政治は、私たちの日々の生活そのものです。日々の生活を守ることが、国を守り、全ての人を守ることにもつながります。暮らしに最も近い、自治体の政治を積極財政に変え、何があっても心配しなくていい、そんな社会を一緒に実現しましょう。

  1. 財源はある・地方から国を揺らせ
  2. 子ども支援5つの無償化
  3. 地元に安定雇用を
  4. 教育は成長産業だ
  5. 介護も成長産業だ
  6. インフラ・防災へ投資、原発は廃止
  7. 快適な住まいを権利に
  8. 医療と社会保障
  9. 日本の食を守り、地元の産業を盛り上げる
  10. ジェンダー平等・多文化共生
  11. 地域からの平和・安全保障
  12. 地方自治

1. 財源はある・地方から国を揺らせ

国に求めること:国の緊縮財政を転換し、地方自治体にお金を回す

ひとびとの生活にかかせない介護・医療・保育・教育などについて、お金を使うのは地方自治体です。地方自治体の財政が確保されなければ、国の政策は実施できません。財源に恵まれず、苦しい運営を強いられる地方に、公正で手厚い財源保障を求めます。

地方自治体で取り組むこと:貯めこんだ「基金」を使い、地方から積極財政に転換する

コロナ禍と物価高騰にもかかわらず、自治体の多くが基金を貯め込んでいます。しかし、今こそ基金を使う時です。自治体が基金をせっせと積むことで、財務省は「余裕があるから地方交付税交付金を減らす」と言い出しかねません。まずは「貯めすぎた」基金を使って、地方から緊縮を打ち破りましょう。

融資を活用する:民間資金の活用で地域を活性化

国や地方の財政支出は重要です。しかし、民間資金を活用することで大きな事業が可能となります。特にグリーンやデジタルなどの分野では、投資の回収は充分に可能です。財政投融資や地方公共団体金融機構の融資を活用し、投資によって地域経済を循環させます。

2. 子ども支援 5つの無償化

国全体で子どもを育むという理念のもと、全ての自治体で18歳までの子ども医療費や、学校給食費、保育料、学費、小学校の放課後対策事業(学童)の費用をすべて無償化(5つの無償化)します。財源については、国に責任を持って保障させます。また、保育所では子どもの人数に対して、担当する保育士の人数が少なく負担が重すぎることが、悲惨な事故や事件を引き起こす一因となっています。保育現場の人員を大幅に増やすことで、子どもたちにとっても職員にとっても、安心できる保育の場を目指します。また国の現行の制度では、自治体が独自に子育て支援を拡大すると補助金が減額される場合がありますが、このようなことには徹底して反対します。

国に求めること

自治体で取り組むこと

3. 地元に安定雇用を!

政府の経済政策の失敗によって、最も大きな影響を受けたロスジェネ世代への対策が急務です。若者の大きな負担となっている奨学金債務(学費ローン)をチャラにし、地方での定住や就職をすすめます。また、非正規公務員の時給はすぐに1500円以上に引き上げ、正規への転換をすすめます。さらに地方自治体が調達する物品・工事・施設管理の契約条件として、相手企業や契約先に対して時給1500円以上を求めます。もちろん、これらの政策は国が責任を持って財源保障や企業への支援を行います。10年間で官民あわせて200兆円のグリーン投資を行い、グリーン産業で毎年250万人規模の雇用創出を国に求めます。地方では、公務員の採用を拡大する「就職氷河期世代雇用ニューディール」を実施します。例えば、全国で年1万人、10年間で10万人を公務員として採用することを目指します。

国に求めること

自治体で取り組むこと

4. 教育は成長産業だ

学校教育現場では、負担が重すぎるために教員のなり手不足が深刻な問題となっています。また、現場の人手不足から、障がいや特性のある子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたちへの支援も充分ではありません。少人数学級をさらにすすめ、教育現場の人員を大幅に増やすとともに、大学までの教育オール無償化をめざします。

国に求めること

自治体で取り組むこと

5. 介護も成長産業だ

現在、国は要介護1、2の保険外しなど介護保険制度の改悪をすすめようとしています。また社会保険料は形を変えた税金です。介護保険は料金改定のたびに値上げされ、大きな負担となっています。介護制度の改悪や料金の値上げに徹底して反対します。また、介護の現場は低賃金や苛酷な労働環境によって、慢性的な人手不足です。介護職の給与や待遇の大幅な改善を、国と地方自治体の両方に求め、介護の現場で働きたいと思う人を増やします。

国に求めること

自治体で取り組むこと

6. インフラ・防災へ投資、原発は廃止

私たちは気候危機に直面しています。気候変動がこのまますすむと、自然災害は激甚化し、農林水産業に被害をもたらし、私たちの暮らしに深刻な影響を与えます。原発を即時廃止するとともに、気候変動を止めるために、断熱などの省エネルギー化と、地域で自然と調和した再生可能エネルギーの普及・設置をすすめます。現在、日本の公共インフラ、防災インフラは老朽化がすすみ、国も自治体も財政不足を理由に民営化や廃止をすすめようとしています。しかし、公共インフラは国や地域社会にとっての重要な資産であり、人々のとってのライフラインでもあります。公共インフラや防災インフラのメンテナンスと増強によって、地域の生活を守り、産業と雇用をつくります。

国に求めること

自治体で取り組むこと

7. 快適な住まいを権利に

光熱費高騰策として国が打ち出す政策はすべて「小手先」「先送り」です。2021年度には17兆円だった燃料の輸入費が2022年度は30兆円にまで膨れ上がりました。このような光熱費の高騰は、所得の低い人ほど大きな影響を受けます。住宅や、学校などの公共施設の断熱改修と太陽光パネル設置をすすめ、光熱費ゼロとエネルギーの地産地消、防災力の強化を目指します。これらの脱原発グリーンニューディール政策は自治体にとって投資であり、地域の産業と雇用の振興につながります。

国に求める事

自治体で取り組むこと

8. 医療と社会保障

新型コロナ感染症の拡大によって、「構造改革」や「財政健全化」の名のもと進められた緊縮財政と民営化が、いかに地域社会の基盤を損ねて来たかが明らかになりました。積極財政で医療・社会保障を充実させることで、何があっても心配なく暮らせる地域社会を目指します。また、感染症予防の対処策も常に揺れ動き、ワクチンの効用と被害など人々を不安にする情報が蔓延します。科学的な知見のもと、信頼される政府として不都合な情報も公開して科学的な議論をすることが重要です。

国に求める事

自治体で取り組むこと

9. 日本の食を守り、地元の産業を盛り上げる

地域に根ざして活動する中小企業やフリーランスなどの免税業者こそ、地域の活力です。大手銀行との競争を強いられ苦戦している地方銀行や地方信用金庫こそ、地域金融の要です。自治体が地方銀行・地方信用金庫と協力して低金利の利融制度をつくり、地域でお金が回る仕組みを構築します。また農業は国の根幹であり、重要な産業です。安全な食と自給率アップにつながる地域農業の育成につとめます。そして、動物福祉の向上を目指します。インボイス制度は、中小企業をはじめとする、地域の零細・個人事業主の経営を悪化させます。国と連携し、地域からもインボイス反対を訴えます。

国に求める事

自治体で取り組むこと

10. ジェンダー平等・多文化共生

労働・教育の男女格差をなくします。女性が多くを担う、出産・育児・介護が「足かせ」になることがないよう、国が支える仕組みをつくるとともに、意志決定の場に女性を増やすことで、ジェンダーによって不公平が生まれる構造をなくします。

国に求める事

自治体で取り組むこと

11. 地域からの平和・安全保障

ひとびとの生活を支える積極財政を求めても、国は「財源」を理由に実行しませんでした。一方で「軍事増強」にはあっさりと「増税」を含む「財源の工夫」を行います。国が進める軍備増強と軍事費倍増に反対し、地域からの平和構築を目指します。

国に求める事

自治体で取り組むこと

12. 市民自治と地方分権

地域のことは地域で決めるひとりひとりが自由な立場で発言・行動し、政治を動かす社会をめざします。地方自治体は市民に一番身近な政府として、市民自治を実現するために「開かれた行政」「開かれた議会」づくりを徹底します。そして地方と国が対等な立場で連携し、政策課題の実現をめざします。

国に求める事

自治体で取り組むこと