れいわ新選組 統一自治体選挙マニフェスト
はじめに
この30年、「官から民へ」「行政のムダを省く」というスローガンのもと、緊縮財政と小さな政府を目指す政治が続いて来ました。そんな中で、大きなしわ寄せを受けてきたのが、地方自治体です。
財政を「健全化」させるため、中央政府は地方に配分する財源を減らし、社会保障の負担を地方自治体に押しつけてきました。地方交付税交付金は地方自治体が一般財源として使えるお金ですが、充分な額が確保されていません。国全体の最低限の生活水準を保障するための、介護・医療・保育・教育などの支出についても、中央政府は十分な財源を手当せずに、自治体に負担を強いています。その結果、地方自治体の公務員も十分な人員を確保できず、賃金カットや非正規化、長時間労働が常態化しています。過去十数年にわたる緊縮的な経済政策の結果として、高齢化や人口縮減という地方の課題にも、対応が大幅に遅れてしまいました。就職氷河期世代は放置され、ひとり親世帯の子どもの貧困も深刻です。
いま、何よりも、ひとびとが豊かになるための経済政策への転換が必要です。特に、地方政治は、私たちの日々の生活そのものです。日々の生活を守ることが、国を守り、全ての人を守ることにもつながります。暮らしに最も近い、自治体の政治を積極財政に変え、何があっても心配しなくていい、そんな社会を一緒に実現しましょう。
- 財源はある・地方から国を揺らせ
- 子ども支援5つの無償化
- 地元に安定雇用を
- 教育は成長産業だ
- 介護も成長産業だ
- インフラ・防災へ投資、原発は廃止
- 快適な住まいを権利に
- 医療と社会保障
- 日本の食を守り、地元の産業を盛り上げる
- ジェンダー平等・多文化共生
- 地域からの平和・安全保障
- 地方自治
1. 財源はある・地方から国を揺らせ
国に求めること:国の緊縮財政を転換し、地方自治体にお金を回す
ひとびとの生活にかかせない介護・医療・保育・教育などについて、お金を使うのは地方自治体です。地方自治体の財政が確保されなければ、国の政策は実施できません。財源に恵まれず、苦しい運営を強いられる地方に、公正で手厚い財源保障を求めます。
- 消費税を廃止します。その際、地方消費税(2.2%)の減収は国が補てんします
- インボイス制度の撤廃を求めます
- 地方に使い途を白紙委任する「地元爆上げ費」(地方交付税)の大幅増額を国に求めます
- 地方が独自に子育て支援などを拡充しても、国が補助金を減額しないように求めます
- 地方交付税交付金を一定水準に抑えている、「一般財源総額実質同水準ルール」を廃止します
- 過去の「トップランナー方式」のような、国による地方財政の削減強要を止めさせます
※「トップランナー方式」とは、地方自治体の施設や窓口で、民間への業務委託を進めてコストカットをした自治体を基準に、すべての自治体の地方交付税配分額を減額する制度 - 「交付税及び譲与税配付金特別会計」のための国債を発行し、日本銀行が買い上げるよう、国に求めます
※地方交付税交付金は地方自治体が一般財源として使えるお金ですが、十分な額が確保されてこなかったため、多くの地方自治体が臨時財政対策債の増発を強いられています。地方交付税の不足は、国費により補填すべきです。「交付税および譲与税配付金特別会計」のための国債を発行し、日銀が買い上げるなどの方法をとれば、自治体間の分配は交付税配分ルールに従って行われるため、不公平になりません - 地方財源の不足が解消するまで、国庫支出金(補助金や負担金など)の金額を増やし、国が地方の財源を支えるよう求めます
- 施設などのハード事業だけでなく、子育て支援などのソフト事業にも地方債の発行を可能にし、元利償還払は交付税で補填します
- 税収が不足した場合、不足分を国と地方が折半するルールを廃止し、国が地方の財源不足分に責任を持ちます
地方自治体で取り組むこと:貯めこんだ「基金」を使い、地方から積極財政に転換する
コロナ禍と物価高騰にもかかわらず、自治体の多くが基金を貯め込んでいます。しかし、今こそ基金を使う時です。自治体が基金をせっせと積むことで、財務省は「余裕があるから地方交付税交付金を減らす」と言い出しかねません。まずは「貯めすぎた」基金を使って、地方から緊縮を打ち破りましょう。
- お金を貯め込むのではなく、生活や産業に回すことを目指します。子育てや中小企業への支援を拡充することで、人口と所得を増やし、消費を拡大し、地域の産業を活性化させます
- 地方債を必要に応じて活用します。地方銀行・地方信用金庫と連携し、地方債の償還ではなく借り換えを推奨します。また地方債の借り換えに際しては、現金による「減債基金」の積み立て義務を免除するか、地方債の償還年限を延長します
- 年度ごとの財源の調整を図るための貯金である財政調整基金は、貯めこむのではなく、コロナ不況や物価高騰への支援のために使います
融資を活用する:民間資金の活用で地域を活性化
国や地方の財政支出は重要です。しかし、民間資金を活用することで大きな事業が可能となります。特にグリーンやデジタルなどの分野では、投資の回収は充分に可能です。財政投融資や地方公共団体金融機構の融資を活用し、投資によって地域経済を循環させます。
- 公共施設の新規建設や改修には財政投融資などを活用し、光熱費ゼロ施設(ZEB)を実現します
- 一定水準以上の断熱住宅の新築やリフォームには低金利の住宅融資を制度化します
- 中小企業の環境やデジタルの設備投資に有利な低金利融資を制度化します
2. 子ども支援 5つの無償化
国全体で子どもを育むという理念のもと、全ての自治体で18歳までの子ども医療費や、学校給食費、保育料、学費、小学校の放課後対策事業(学童)の費用をすべて無償化(5つの無償化)します。財源については、国に責任を持って保障させます。また、保育所では子どもの人数に対して、担当する保育士の人数が少なく負担が重すぎることが、悲惨な事故や事件を引き起こす一因となっています。保育現場の人員を大幅に増やすことで、子どもたちにとっても職員にとっても、安心できる保育の場を目指します。また国の現行の制度では、自治体が独自に子育て支援を拡大すると補助金が減額される場合がありますが、このようなことには徹底して反対します。
国に求めること
- 所得制限なしの子ども手当月3万円を高校生卒業相当まで給付し、「異次元の少子化対策・子育て支援」を求めます
- 出産費用の無償化、出産から子育てまでの一貫した支援策を求めます
- 保育士の配置基準を大幅に引き上げ、新しい配置基準に従った支援を行います
- 子育て一括交付金のような形で自治体の子育てに関する工夫を財政的に支援します
- 保育士の月10万円の賃金引上げを求めます
自治体で取り組むこと
- 子どもの医療費を18歳まで無償化します
- 妊産婦の医療費助成制度を拡充します
- 不妊治療の保険適用外部分に関して負担減となる補助金を創出します
- 保育園は希望者が全員入所できるように、必要な自治体では増設をすすめます
- 保育料や給食費は完全に無償化します
- 小学校の放課後対策事業(学童保育)も希望者が全員入所できるようにし、無償化します
- 学校給食を無償化します。食育の観点から地元の食材や有機野菜などの利用を、防災の観点から自校式給食の提供を目指します
- 保育所の配置基準を大幅に引き上げ、保育士が担当する子どもの人数を減らします
- 保育士への家賃補助(最大月10万円)や、定着支援のための一時金(毎年20万円を7年間)を支給します
- 小学校の放課後対策事業(学童保育)指導員の大幅な賃上げや処遇改善をすすめます
- 放課後対策事業(学童保育)の場所の確保や、指導員の資格と配置に関する基準の順守をすすめます
- 夜間学校など学び直しのための機会を充実させます。高等技能訓練促進費事業、自立支援教育訓練給付金を拡充します
3. 地元に安定雇用を!
政府の経済政策の失敗によって、最も大きな影響を受けたロスジェネ世代への対策が急務です。若者の大きな負担となっている奨学金債務(学費ローン)をチャラにし、地方での定住や就職をすすめます。また、非正規公務員の時給はすぐに1500円以上に引き上げ、正規への転換をすすめます。さらに地方自治体が調達する物品・工事・施設管理の契約条件として、相手企業や契約先に対して時給1500円以上を求めます。もちろん、これらの政策は国が責任を持って財源保障や企業への支援を行います。10年間で官民あわせて200兆円のグリーン投資を行い、グリーン産業で毎年250万人規模の雇用創出を国に求めます。地方では、公務員の採用を拡大する「就職氷河期世代雇用ニューディール」を実施します。例えば、全国で年1万人、10年間で10万人を公務員として採用することを目指します。
国に求めること
- 同一労働同一賃金を実現できるよう労働規制緩和をストップし、望む人はみな正社員に転換できるようにしていきます
- 全国の自治体で「ロスジェネ世代」を正規雇用する「就職氷河期世代雇用ニューディール」への財源措置を求めます
- 最低賃金を時給1,500円に引き上げます。同時に、社会保険料の事業主負担分は賃上げに応じて軽減するなど中小企業の徹底支援を実施するよう求めます。また、最低賃金の引き上げにあたっては、5年ごとの計画を定めるよう求めます
- 長時間労働をなくすために残業の賃金割増率を大幅に引き上げるとともに、「労働基準法違反企業」の取り締まりのために、労働基準監督所の予算と人員を拡充して、違法な不払い残業を規制するよう求めます
- 「外国人技能実習」や、それと同様の制度は廃止します
- 障がいや難病、介護、ひとり親などであっても、まっとうな仕事が確保されるよう、労働基準の強化を行うとともに、雇用保障のための企業への給付を拡大します
自治体で取り組むこと
- 全国の自治体でロスジェネ世代を10年間で10万人を公務員採用する、「就職氷河期世代雇用ニューディール」を各自治体の規模に応じて実施します
- 非正規公務員の時給を1500円以上に引き上げ、原則、無期限雇用とします
- 会計年度任用職員制度を廃止し、保育士や、幼稚園教諭、図書館職員、介護職員、相談業務の職員などの正規化をすすめます
- 公契約条例を制定し、自治体が調達する物品・工事などの業者や委託業者、指定管理者にも時給1500円以上を求めます
- 正規雇用する企業に、従業員1人あたり2年間月額10万円程度を給付します
- 地方自治体の設置する窓口で、仕事のマッチングを進めます。さらに、都道府県の職業訓練校の教員を増やし、就学者には就学資金を給付します
- 自治体では、「労働基準法違反企業取締条例」を制定し、全都道府県・市町村をあげて調査・相談・啓発に積極的にとりくみます
4. 教育は成長産業だ
学校教育現場では、負担が重すぎるために教員のなり手不足が深刻な問題となっています。また、現場の人手不足から、障がいや特性のある子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたちへの支援も充分ではありません。少人数学級をさらにすすめ、教育現場の人員を大幅に増やすとともに、大学までの教育オール無償化をめざします。
国に求めること
- 幼稚園から大学院まで、教育を無償化します
- 奨学金の返済を免除します
- 就学援助の充実、制服代の支給、学校給食無料化、奨学金拡充などで個人・家計の教育費負担の軽減を求めます
- 教員の大幅増員により、教員の長時間労働を解消するとともに、少人数学級を実現し、子どもと向き合う教育に転換します
- 時間外手当を原則ゼロとする教職員給与特別措置法(給特法)を廃止します。教員の時間外勤務手当を支給し、時間外労働の実態を明確化します
- 学校看護師やスクールカウンセラーなどの専門職種について、標準法(教職員定数の標準に関する法律)による定数配置を求めます
自治体で取り組むこと
- 自治体での定住や中小企業への就職で「奨学金チャラ!」自治体が奨学金債務を肩代わりする制度を全自治体で導入します
- 障害や特性、国籍などに関わらず、誰もが地域の学校に通え、普通学級で学べるインクルーシブ教育を実現します
- 医療的ケアが必要な子どもと共に学ぶため、教育委員会に看護師派遣センターを設置します
- 校舎や体育館などのエアコン設置と断熱改修を同時にすすめ、学ぶ環境を改善します
- 学校の統廃合は行わず、防災設備等の充実をはかり、地域の拠点として活用します
- 子どもたちが負担なく利用できるように、洋式トイレを整備します
- 不登校児童と保護者の相談窓口や居場所を拡充し、途切れない支援を行います
- 公営図書館の民営化をせず、公的運営を守り、拡充します
- 生徒の人権を侵害する「トンデモ校則」の廃止を求めます
5. 介護も成長産業だ
現在、国は要介護1、2の保険外しなど介護保険制度の改悪をすすめようとしています。また社会保険料は形を変えた税金です。介護保険は料金改定のたびに値上げされ、大きな負担となっています。介護制度の改悪や料金の値上げに徹底して反対します。また、介護の現場は低賃金や苛酷な労働環境によって、慢性的な人手不足です。介護職の給与や待遇の大幅な改善を、国と地方自治体の両方に求め、介護の現場で働きたいと思う人を増やします。
国に求めること
- 介護報酬の倍増を求めます
- 介護従事者の月10万円の賃金引上げを行い、それを既存の介護報酬とは別枠の全額国庫負担(利用者負担なし)で行うことを求めます
- 介護保険の国の負担する割合を50%に増やし、75%を公費負担とします
- 個人の保険料負担の上限を定め、不足分は国費を交付するよう要求します
- 福祉機器などに対する設置補助金は、全額補助とするよう要求します
- 介護職員研修を無償化し、受講生へ生活費を貸付けし、就業すれば返済を免除します
- 介護職員の仕事の負担を軽減するために、介護ロボットや最先端の介護人材支援機器の普及を促進すべく、資金補助を行います
自治体で取り組むこと
- 要介護1、2の保険外しなど介護保険制度の改悪に対して、地方から反対の声をあげます
- 介護職員不足への抜本的対策として、介護施設の公営化を進め、介護職員を公務員として雇用し、雇用の安定を図ります
- 介護職員への家賃補助(最大月10万円)で介護職員の生活を支援します
- 自治体公務員としての介護支援専門員(ケアマネージャー)配置を充実させます
6. インフラ・防災へ投資、原発は廃止
私たちは気候危機に直面しています。気候変動がこのまますすむと、自然災害は激甚化し、農林水産業に被害をもたらし、私たちの暮らしに深刻な影響を与えます。原発を即時廃止するとともに、気候変動を止めるために、断熱などの省エネルギー化と、地域で自然と調和した再生可能エネルギーの普及・設置をすすめます。現在、日本の公共インフラ、防災インフラは老朽化がすすみ、国も自治体も財政不足を理由に民営化や廃止をすすめようとしています。しかし、公共インフラは国や地域社会にとっての重要な資産であり、人々のとってのライフラインでもあります。公共インフラや防災インフラのメンテナンスと増強によって、地域の生活を守り、産業と雇用をつくります。
国に求めること
- 10年間で官民あわせて200兆円のグリーン投資を行い、自然エネルギーや省エネルギーのほか、エネルギー供給インフラや脱炭素化のための新技術などのグリーン産業で毎年250万人規模の雇用創出を求めます
- 原発は即時禁止し、政府が買い上げて廃炉をすすめます
- 原発やアンモニア混焼推進ありきのGX(グリーントランスフォーメーション)政策を見直し、脱原発・脱化石燃料のための脱原発グリーンニューディール政策を国として位置づけます
- 国が予算を確保し、道路、橋、トンネル、水道管など様々な社会インフラの改修・修繕・更新に投資することを求めます
- 交通の脱炭素化のために、最先端技術の開発・普及を求めます
- 上下水道の民営化に反対します。市町村事業である水道・下水道の技術継承のため、広域自治体として都道府県の専門職を配置し、広域的なカバーを求めます。また老朽化した水道管の更新を計画的に行います
- リニア新幹線については、必要性が低く環境破壊のおそれがあることから計画の見直しを求めます
- 温室効果ガス排出量は2030年までに70%削減し、2050年までのできるだけ早い時期にゼロにします
- 2030年までにエネルギー供給における自然エネルギーの割合を70%に、2050年までのできるだけ早い時期に100%を目指します
- 暮らしの質を高めながらエネルギー利用効率を高め、2030年までにエネルギー消費量を40%、2050年までに60%削減することを目指します
自治体で取り組むこと
- 上下水道の料金を維持あるいは引き下げます。そのために高金利の企業債の置き換えや内部留保金を活用します
- 施設の更新や上下水道の菅の新設・更新は積極的にすすめます。特に個人負担となる鉛菅の敷設替えを自治体の責任で行います
- 市営バスを充実させ、必要な公共交通や移動弱者のための移送サービスを維持・発展させます。また、コミュニティバスなど「買い物難民」をなくす施策をすすめます
- 民間バス事業者が撤退する場合は、補助金の増額によるバス運転手の確保や、公営化を進めます
- 被災者生活再建支援法を抜本的に拡充し、支援金を当面500万円に増額するとともに対象を半壊などにひろげます。災害救助法にもとづく応急救助を、被災者の生活の再建に結びつくよう充実させます
- 学校や病院・社会福祉施設、大規模集客施設、ライフラインなどだけでなく、すべての住宅の耐震診断・耐震補強を促進します。改修工事は地元中小業者が請け負うようにします
- 保育園、特別養護老人ホーム、市営住宅の建設など、身近な公共事業を増やします
- 公共施設の断熱、太陽光パネル設置、蓄電池の導入をすすめ、災害拠点とします
- 自然エネルギーの導入にあたっては、居住実態のある地域住民の参加と出資などを要件とし、大企業などによる乱開発を防ぐための規制導入を行います
7. 快適な住まいを権利に
光熱費高騰策として国が打ち出す政策はすべて「小手先」「先送り」です。2021年度には17兆円だった燃料の輸入費が2022年度は30兆円にまで膨れ上がりました。このような光熱費の高騰は、所得の低い人ほど大きな影響を受けます。住宅や、学校などの公共施設の断熱改修と太陽光パネル設置をすすめ、光熱費ゼロとエネルギーの地産地消、防災力の強化を目指します。これらの脱原発グリーンニューディール政策は自治体にとって投資であり、地域の産業と雇用の振興につながります。
国に求める事
- 短期的には光熱費対策として、地方交付税交付金を大幅アップします。特に病院など企業会計への支援を拡充します
- 中長期的に省エネ、創エネによって海外からの輸入に頼らないエネルギー構造をめざします
- 空き家借り上げや家賃補助、断熱改修など、住環境の確保に関して特別の財政支援を実施します
自治体で取り組むこと
- 急増する空き家や団地の空き室を地方自治体が借り上げ、若者や低所得者、住まいを必要とする人びとに提供する仕組みを作ります
- 燃料貧困対策として、燃料費の軽減につながる公共住宅の断熱改修をすすめます。自治体が借り上げ、提供する空き家や空き室には、断熱基準を設けます
- エネルギー100%自給型の快適な公営住宅を建設し、高齢者・単身者などの住まいの権利を保障します
- 新規建設および既存の住宅やビルの断熱基準をさらに高め、省エネ設備設置への支援を拡大し、「燃料貧困」をなくします
- 「住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の供給促進計画」の枠組みで月4万円(国の補助2万円)の家賃補助の対象世帯を増やします
- 住宅の新築や改修に際して、国の基準以上の断熱施工を促す助成制度を作ります
- 住宅の屋根への太陽光パネル設置や太陽熱利用設備の設置、雨水利用タンク設置に対する助成制度を作ります
- 太陽エネルギー利用やヒートポンプ設置が検討できる「現況マップ」を作成します
- 地元の優良な施工業者が住宅の断熱や太陽光パネル設置施行を受注する場合、地元の地域金融機関に対して地方自治体が債務保証を行います
- 学校など公共施設に、断熱改修や省エネ改修(ESCO事業)を実施するとともに、太陽光パネルの設置をすすめ、光熱費ゼロを実現します
8. 医療と社会保障
新型コロナ感染症の拡大によって、「構造改革」や「財政健全化」の名のもと進められた緊縮財政と民営化が、いかに地域社会の基盤を損ねて来たかが明らかになりました。積極財政で医療・社会保障を充実させることで、何があっても心配なく暮らせる地域社会を目指します。また、感染症予防の対処策も常に揺れ動き、ワクチンの効用と被害など人々を不安にする情報が蔓延します。科学的な知見のもと、信頼される政府として不都合な情報も公開して科学的な議論をすることが重要です。
国に求める事
- 医療・社会保障の緊縮財政的な政策を改め、国が責任をもって財源を保障します
- 保健所の数を増やし、保健所職員の配置を大きく増加させる予算措置を求めます
- 低所得者の国民健康保険料を軽減します
- 子ども医療費や重度心身障碍者やひとり親家庭等のための福祉医療費への支援を拡充する自治体に対し、単独事業として実施する、国が国庫負担金を減額する措置は即時全面廃止をすることを求めます
- 予防接種、妊産婦健診、全世代で切れ目ない歯科検診を無料で受けられるようにします
- 医師不足の本格的な対策・支援策を検討し、病院勤務医の長時間労働の是正に努めます
- ガンや難病、精神をはじめ患者支援や医療提供体制の充実をはかります
- ワクチン副反応被害やコロナ後遺症に対する柔軟な救済、支援制度の早急な拡充を求めます
自治体で取り組むこと
- すべての中核市に保健所を設置するとともに、保健政令市も含めた「保健所設置市」を市町村でも大幅増加させます
- 公立病院の統廃合を中止します
- 民営化された医療機関の実態を追跡調査します
- ワクチン接種後の副反応情報を市民に積極的に公開します
- 国民健康保険料など各種保険料を値下げします
- 生活保護の申請者・受給者に対する人権侵害的な措置をやめさせます。生活保護の捕捉率を向上させるよう、窓口での申請拒否、受給者の監視などをやめさせます
9. 日本の食を守り、地元の産業を盛り上げる
地域に根ざして活動する中小企業やフリーランスなどの免税業者こそ、地域の活力です。大手銀行との競争を強いられ苦戦している地方銀行や地方信用金庫こそ、地域金融の要です。自治体が地方銀行・地方信用金庫と協力して低金利の利融制度をつくり、地域でお金が回る仕組みを構築します。また農業は国の根幹であり、重要な産業です。安全な食と自給率アップにつながる地域農業の育成につとめます。そして、動物福祉の向上を目指します。インボイス制度は、中小企業をはじめとする、地域の零細・個人事業主の経営を悪化させます。国と連携し、地域からもインボイス反対を訴えます。
国に求める事
- 農作物の自給率アップの目標を掲げ、特に有機農作物の割合を増加させます
- 「コロナ融資」の返済猶予を求めます
- 農林水産業を地域経済の柱に位置づけ、最低所得保障の復活を求めます
- ネオニコチノイド系農薬の使用制限、禁止、非遺伝子組み換え食品の普及、在来種の保存により、地域農業を守ります
- 工場的畜産を規制して、動物福祉(アニマルウェルフェア)に基づいた飼育や処分方法に関する基準を定めます
- ペットの生体販売を禁止します
自治体で取り組むこと
- 中小企業者向けの相談事業を充実させます
- 自治体独自の中小企業向け消費活性化事業を行います
- コロナ禍などで苦しむ中小企業への給付事業を充実させます
- 地方信用金庫・地方銀行と協力し、中小企業支援向けの低金利融資を制度化します
- インボイス制度で経営が苦しくなる免税業者や、シルバー人材センターの声を国に届けます
- インボイス制度についての相談窓口を設け、寄せられた相談を国に伝えます
- 自治体の責任や大企業・銀行の地域貢献の役割等を明記した「中小企業地域振興基本条例」を制定し、地域の特性に応じた産業政策を策定し、中小零細業者を支援します
- NPOバンクや市民ファンドを応援する仕組みづくりを行います。
- 労働者協同組合など、協同組合的な経営組織の立ち上げを支援します。
- 自治体調達(発注事業・物品等)における地域業者・資機材・人材活用の促進を行います
- 学校給食での地元の食材や有機野菜の利用をすすめるとともに、地元農家の見学・手伝いなどで、地域と学校のつながりを大切にします
- 再生エネルギー事業での地域活性化を目指します
- 家族農業・小規模農業の役割を尊重します
- グリーンビジネスを財政的に支援し、循環型社会をめざします
- 中心市街地のバリアフリー化と移動機器貸出、介助サービスを充実させることで、高齢者や障碍者の生活の質を保障するとともに、まちのにぎわいと地域経済の活性化を促進します
- 犬猫殺処分ゼロに向け自治体による引き取り・収容・殺処分を改善します
- 命の期限のない動物愛護の公的シェルターを全国各地に設置し、専門の公務員を常駐させます
10. ジェンダー平等・多文化共生
労働・教育の男女格差をなくします。女性が多くを担う、出産・育児・介護が「足かせ」になることがないよう、国が支える仕組みをつくるとともに、意志決定の場に女性を増やすことで、ジェンダーによって不公平が生まれる構造をなくします。
国に求める事
- 産休と育休の給与補償に対する国庫負担割を引き上げ、現在の3分の2から100%の補償を求めます
- 離職中の女性のキャリアを生かす復職支援や、職業訓練、資格取得の支援拡充を求めます
- 「ジェンダー教育」を義務教育の一環とし、性の在り方に対する思い込みや押し付けを減らします
- 選択的夫婦別姓を実現します
- 同性婚を合法化します
自治体で取り組むこと
- 生理の貧困をなくすため、庁舎や学校、公共施設で生理用品を無料で、かつ申請や申し出なしに入手・利用できるように設置します
- DV(家庭内暴力)や児童虐待における性的被害について、行政調査で実態を把握し未然防止策を具体化します
- 災害時の避難所での性のトラブルをなくすため、女性やLGBTQ+の目線から対策をすすめます
- 第3者委員会を各学校に設置し、性差別やハラスメントなどがあった場合への対応をすすめます
- 自治体レベルでパートナーシップ制度を導入し、公営住宅入居など行政サービスと連動します
11. 地域からの平和・安全保障
ひとびとの生活を支える積極財政を求めても、国は「財源」を理由に実行しませんでした。一方で「軍事増強」にはあっさりと「増税」を含む「財源の工夫」を行います。国が進める軍備増強と軍事費倍増に反対し、地域からの平和構築を目指します。
国に求める事
- 防衛力強化を口実にした社会保障費抑制に反対します
- ミサイル配備など予算ありきの軍備増強の撤回を求めます
- 現行憲法を尊重し、実践を通じて憲法を生かすことを求めます
- 住民の意向を無視した米軍の低空飛行訓練などの温床になっている「日米地位協定」の抜本改定を求めます
- 「対米追従外交」からの脱却を求めます
- 沖縄の辺野古基地をはじめとする、基地新設・増強を見直します
- 安保法制・特定秘密保護法など、憲法の理念に反して軍事増強につながる法律は停止・廃案します
- 国際的な災害時を支援する仕組みや対応組織の創設を行います
- 平和構築、民生の安定の支援、紛争仲介外交などを安全保障政策の中心にして、国際平和貢献に取り組みます
自治体で取り組むこと
- 地域の中の国際化に取り組み、多文化共生社会を教育や社会の現場からつくります
- 地方自治体から平和を発信していき、「友好都市」「姉妹都市」の発展で他国とも自治体レベルの交流を行います
- 外国にルーツを持つ住民が自治体行政に参加する「外国人市民代表者会議(例:川崎市)」のような仕組みをつくります
- 自治体保有施設(港湾など)で核持ち込みや軍事分野の利用に歯止めをかける非核「神戸方式」を進めます
- 住民の意向を無視して、米軍が自衛隊の駐屯地の共同使用を行うことには反対します
- 住民の意向を無視した輸送機オスプレイの訓練については運用が日米のいずれでもあっても反対します
- 国際NGOや地域での日本語学校などボランティアレベルの国際活動が活発化するよう財政的に支援します
- 国際的な災害、紛争に対して、迅速に医師などの人材派遣、物資や金銭的支援を行うための制度をつくります
12. 市民自治と地方分権
地域のことは地域で決めるひとりひとりが自由な立場で発言・行動し、政治を動かす社会をめざします。地方自治体は市民に一番身近な政府として、市民自治を実現するために「開かれた行政」「開かれた議会」づくりを徹底します。そして地方と国が対等な立場で連携し、政策課題の実現をめざします。
国に求める事
- 地方自治体を対等な政府として扱い、財政による政策誘導や必要を超えた通知行政を行わないことを徹底します
- 一定数の署名による住民投票の実施義務など、住民による意志決定の手段を法制化するように求めます
- カジノを中心とする「IR事業」は認可しないことを求めます
- 新技術(ICTの活用や自動運転など)を地方政治、住民サービスにおいて導入する場合には、単にパブリックコメントを募集するだけではなく、そこに住む住民の合意形成することを前提とし、制度化することを求めます
- 政府が進めるマイナンバー強制に反対します。拙速な情報連携についても見直しを求めます
自治体で取り組むこと
- 無作為抽出による委員会など、市民の政治参加を進めます。
- 地域で自分たちの予算を決める住民参加型予算に取り組みます
- 住民投票は有権者の5%の請求で実施を義務づける条例をつくります
- 大型公共事業など重要議案や市民からの請求により、行政・議会からの住民説明会・公聴会を義務づけます
- 開かれた教育委員会づくりを行います。委員の選出の際の推薦や意見表明制度、首長予算への積極的な関与、会議の公開やすみやかな議事録公開を進めます
- 開かれた自治体議会を目指します。市民意見を取り入れた政策づくりや議会報告会の充実を行います